入社後、2年目や3年目を迎えた社員を対象にした研修を実施している企業があります。
僕がいた会社もそうで、2年目研修・3年目研修を実施していました。
こういった定期的な研修によって、自分のキャリアの棚卸しをしたり、自分が持っている実績・身に着けたスキルを振り返ったうえで、これからの社会人人生をどう過ごしていくべきかをじっくり考えるきっかけになるのは間違いありません。
眠くなるような研修になることもあるかもしれませんが、ちょっとは何かしら感じ取るいい機会になるはず。
こうした○○年目研修を受けて、僕がとった行動は
「この会社を辞める」
というものでした。
普通は、こういう研修を受けた後はモチベーションが上がって、「これまで以上に仕事を頑張ろう!」と思うものかもしれません。
実際、僕と一緒に3年目研修を受けた同期はこの研修を通じてこれまで以上に頑張れそうだ、と研修最後の感想発表で語っていました。(まぶしい…)
ですが 反対に僕は研修を受けてみて、会社を辞めようという決断をしました。
でもこれは僕が単にあまのじゃくだからではありません。
研修のおかげで、新たな自分を発見できたんです。
本日は、この体験談について紹介してみようと思います。
当時の僕の状況
3年目研修を受けた当時の僕の状況はこんな感じです。
- 大学院を卒業し、新卒で日系の大手メーカーに就職(第一志望でした)
- 入社直後から上司・同僚にとても恵まれ、大変でしたが自分の仕事が大好きになりかけていた時期だった。
- 3年目が始まった春に別の部署に異動になってしまい、新しい部署でやりがいを見出せずにいた。
- 新しい部署での仕事のモチベーションが上がらず、当然パフォーマンスも上がらない。
- 福利厚生や給料に不満はないが、「日系大手企業あるある」で転居を伴う異動の可能性が今後も考えられる。(一方で、僕には結婚を考えている彼女もいた)
- 自社・他社ともに、大手企業でも終身雇用が崩壊していることを肌で感じていた。
- 年齢的に30歳目前だった。
こんな感じで何となく、「このまま何となく仕事をしていたら、モヤモヤしながら時間だけが過ぎてしまいそうだなあ」なんてぼんやり考えていたところで、この3年目研修がいいきっかけになればいいなあ、と思っていました。
研修の内容
僕が受けた3年目研修は、こんな内容でした。(よくあるタイプの研修だと思います)
- 研修の事前宿題として、①自分の強み・弱みを整理しておく。 ②自分の同僚からも強み・弱み・日頃の仕事のパフォーマンスを評価してもらう。 というものがあった。
- 研修当日は、よくあるワークショップを行った。自分のこれまでのキャリアを互いに紹介しあったり、困難をどうやって乗り越えたか発表したりした。
研修冒頭、外部の講師がこう語りかけます。 (上品で小奇麗なスーツを着た女性の方でした。)
皆さん、お疲れ様です。
皆さんも、3年目を迎えて少しずつ、なんとなく仕事を覚えてきた頃かと思います。
うまくいかないこともあったりして、将来について不安に思うこともあったりして、いろいろと「新しい悩み」が生まれている時期ではないでしょうか?
今日の研修を通して、これまでの自分を改めて振り返って、皆さんのこれからのキャリアについて考えるきっかけになればいいなと思います!
これを聞いて、その通りだな、と思う一方で、どうもこの研修(及び講師)と自分は温度感が違うような気がしている僕。
ちなみに、「入社後3年目研修」なので、受講者は全員「同期」です。
同期として入社したのが100人以上いたので、全員をいくつかの回に分けて研修を行うスタイルでした。
僕の場合は自分が新卒で入った最初の部署がとても小さい事業部で、他部署との人材交流もほとんどなかったので、仲が良い同期がほとんどおらず、ちょっと孤独を感じていました・・・苦笑
研修の成果と、会社を辞めようと思ったワケ
上述のような研修を受け、僕は「会社を辞めよう」と思ったのですが、そのわけを書いていきます。
研修では、3年目までの経験を徹底的に振り返り、かつワークショップで発表(アウトプット)したりすることで、自分がどんなことを大切にして仕事に取り組んできたのか(やりがいだったり、自己成長だったり、仲間との切磋琢磨だったり、人それぞれでした。)が何となく見えてきます。
そこから、自分の未来に向かってどうやってキャリアを発展させていくか、を考えるわけです。研修を通じて同期達はモチベーションを上げに上げ、さらに仲良くなっていっていました。
そんなまぶしい同期達を横目に見ながら、僕も自分の将来(5年後、、10年後、、)について考えてみるわけですが、全く思い浮かばない。
正確に言うと、上述の「当時の僕の状況」において「今(当時)の会社での」キャリアが描けなかったわけです。
この会社にいても、どうせまた異動ばっかりして(させられて)、、モチベーションが上がらないまま年齢だけが上がってしまい、次第にはリストラ候補入りのおじさんが完成するだけだな…
なんて思ってしまったのです。
少なくとも、モチベーションが上がりまくっている同期達と競ったところで、勝ち上がって出世できないことは火を見るよりも明らか。
だったら・・・この会社に居続ける意味ってある?
少なくともワケがわからない「定期的な異動」が無い会社に行って、自分が納得する形でキャリア形成していきたい。
幸い、まだ自分は「3年目」。 これから新しいことを始めたって、遅すぎることはないはず。
とても大きな成果があった研修だ・・・!
そんなことを考えながら、3年目研修の打ち上げの飲み会から帰宅したのです。
そこから数か月間の転職活動をして、結果的に自分が納得する形でキャリアチェンジすることができました。
転職にあたり不安もありましたが、それについてはこちらの記事で書いています↓
ちなみに、同期も、当時一緒に働いていた同僚もとても良い人ばっかりだったのですが、彼らがまぶしすぎて、全くやる気がない自分が申し訳なく、自分で自分が嫌になってしまったんですね。。
それでも思うことは、
やっぱり、辞めてよかったーーーー!(笑)

最後に
会社としては、社員のモチベーションを挙げ、エンゲージメントを高め、(たぶん“自社”の中で)キャリアについて考えるきっかけとして準備した3年目研修。
結果として、僕はこの研修を通じて「会社を辞める」という選択をしたわけですが、研修のおかげで前に踏み出せたと思っています。
研修のおかげで、自分の将来について考えたり、同期と接することで、この会社はやっぱり自分には合わないと思うことができた。
2年目、3年目、5年目、10年目研修など、さまざまな節目で研修があると思いますが、今の会社に居続けることにこだわらず、入社式や新入社員研修のように通過儀礼として楽しみながら、自分に合ったカタチで活用できればいいのかな、なんて思ったりします。

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