外資系メーカーって、給料が高そう。
品質保証のポジションで外資系メーカーに転職を考えているけれど、どんな仕事なんだろう?
英語力は求められるんだろうか。
日系と外資系で、品質保証の役割の違いはあるのかな。
本日はこんな疑問に対して、実際に外資系メーカーで品質保証の経験をした僕の体験談を書いてみたいと思います。
日系と外資系の品質保証の役割の違い
- ① 日本に本社を持ち、海外展開している日系企業。
- ② 海外に本社を持ち、日本にもビジネスを展開している(日本から見た)外資系企業。
①・②の両者とも、グローバル企業であることは間違いないのですが、品質保証の視点で見ると、少し役割が変わってきます。
これには、二つの理由があります。
一つ目は、自分たちが「本社」か「現地法人」かによって、品質保証の仕事が違うということ。
メーカーにとって、製品の品質は競合との差別化を図ったり、お客様ニーズを満たすためにとても大切なクライテリアの一つです。
そのため、品質保証方針・ポリシーは、本社で定義づけをして各地域の法人に発信します。
例を挙げると、ハンバーガーのマクドナルドはアメリカの企業です。日本には、日本法人の日本マクドナルドがあります。
マクドナルドの全社的な品質の方針として、「安全・品質・衛生」に関する世界共通のグローバル基準があります。 このグローバル基準を踏まえたうえで、各国の法人で現地のお客様ニーズや法律に合わせて品質管理を行っているのです。
つまり、大きな方針は本社(アメリカ)で決めて、細かい運用上のルールは各国の現地法人で決めるという事です。
そのため、日本法人の品質保証としては、会社としての方針を理解しながら、自分たちの地域で必要な要求品質を満たせるような運用をするのが腕の見せ所になります。
もう一つは、日本で求められる品質が高いということ。
一概には言えませんが、一般的に日本では高品質のものが当たり前です。日本人は品質が高いものに慣れてしまっているため、些細な不良品でも許容しません。
海外の工場で安く生産したものを日本に持ってくると、お客さんからのクレームが多発する、というのはよくあるケースです。
最近ではアジア諸国の工場の品質がどんどん上がってきていて、驚くような高品質のものを作るようになってきました(同時に人件費=コストも上がってきていますが・・・)が、それでも日本では品質が高いことが求められます。
こういった背景から、
✅外資系(日本では自分たちが「現地法人」)の品質保証の役割:
・本社の方針を理解した上で、日本での運用に落とし込む。
・時には、日本のお客さんのニーズを満たせるような供給体制を確立してもらえるよう本社や工場に掛け合う。
✅日系企業(日本では自分たちが「本社」)の品質保証の役割:
・自分たちが主体となって、全社的な方針を作る。
・方針に基づいて、各国が正しく運用できているかモニタリングする。
ざっくりと、このような違いがあります。
給料について
こちらも一概には言えないのですが、外資系企業の方がやや給料は高かったです。ですが、本当に微々たる差であって、業界や企業の利益率による要因の方が大きいです。
なので、日系企業から外資系企業に転職しても、必ずしも給料が上がる可能性が高いわけではない、と強くお伝えしたいです。
個人的な見解ですが、短中期的に見て、外資系企業よりも、海外展開している日系企業の方が給料が上がりやすいと思います。
理由は、日本の人口減少による日本市場の縮小があるからです。
日本は少子高齢化社会で、人口が減ることにより多くの産業が長期的に見てダメージを受けてしまいます。そのため、製品を海外に輸出するなどして危機を乗り切る必要があります。
見方を変えると、外資系企業にとって「日本市場」は、今は人口が大きいけれど縮小しつつあるお荷物な市場です。年々、売上目標の達成が難しくなる日本法人は、成果報酬であるボーナスをもらうのがどんどん難しくなって行くわけです。
反対に、日系企業が海外展開を広げていくケースにおいては、売上がどんどん伸びていくわけですから、給与にも反映されやすくなる。
そのため、しばらくは外資系企業よりも、海外展開している日系企業の方が給料が上がりやすいと思います。
英語力について
日系企業と外資系企業では、求められる英語力が変わってきます。
これについてはこちらの記事でご紹介しているので、興味がある方はのぞいてみてください。
最後に
本日は外資系メーカーにおける品質保証の仕事や給料についてご紹介しました。
外資=給料が高い、というイメージがある人も多いと思いますが、慎重に!企業選びをしましょう。
今日の記事が少しでも参考になれば、とても嬉しいです!
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