【食品企業・事業者向け】虫が入っていた!(混入していた)というクレームを受けた時の調査方法【品質保証】

メーカーあるある

メーカーとしてモノを作っている以上、どんなに頑張って品質を管理していても、クレームは避けられません。

特に、「(食品)商品の中に、虫が入っていた!」というクレームも、一度は受け付けたことがあるクレームの一つではないでしょうか。

 

本日は、「虫が入っていた!」というクレームを受けた時に、原因を特定するためにどんな対応をすべきか、ご紹介します。

 

商品の中に虫が入っていた、というクレームを受けたら必ず原因を調査しよう

「商品(食品)を買ったら、虫が入っていた!」
そんなクレーム(お申し出)を受けたら、すぐに発生原因を調査しなくてはなりません。
 

虫がいつ、どこで、なぜ入ってしまったのか、を速やかに調査することで、「原因の特定」ができます。

「原因を特定」することで、「再発を防止するために何ができるか」というアイデアを出すことができます。

 

例えば、商品になぜ虫が入っていたのかわからないと、何も改善することができません。

一方で、「包装工程で虫が入った!」という特定ができれば、包装工程エリアに防虫装置を置く、等といったアクションが取れるからです。

 

では、どんな風に調査を進めればよいのでしょうか。

 

虫の混入の調査の進め方

商品に虫が入っていた原因を調査するために、まずやるべきことが2つあります。

それは、
「商品の購入日時の確認と、虫が生きていたかどうかの確認」
「お客さまから虫をお預かりする」
この2つです。

それぞれ、理由を解説します。

 

お客さんが購入した日と、発見当時に虫が生きていたか

まずは、

お客さまが商品を購入された日時はいつだったのか。
お客様が虫を発見した時に、虫が生きていたのか、それともすでに死んでいたのか
を確認しましょう。

これらは、とても大切な情報です。

その虫のライフサイクルから、いつ虫が商品に入ったのか、特定できるからです。

わかりやすく例を出してご説明しましょう。

仮に、発見時に虫が生きていた、とすると、虫が入ったのは比較的最近のことであると推察できます。

食品によって来る多くの貯穀害虫(食品に集まってきやすい虫たち)は、2か月程度でその一生を終えます。

当然、虫が死んでからは動くことはできません。生きている間に商品の中に入り込んでしまっているはずです。

つまり、お客さんが商品の中に虫が入っていてその時にもまだ動いていた(生きていた)のであれば、発見からさかのぼって2か月以内程度に混入した可能性が非常に高いという事です。

仮に、商品の出荷が2か月以上前であれば、下(↓)の図のDから2か月以内に発生したステップの間での虫の混入になるわけです。

<虫が発見されるまでの時系列>
A出荷 ⇒ Bお店での陳列 ⇒ Cお客様のご購入 ⇒ D虫の発見

つまり、虫が生きていた、という確認ができれば、発生した原因をかなり絞り込むことができるという事です。

もし、お客様のご購入が2か月以上前であれば、虫が入ったのはご購入後である、という結論にたどり着くことができます。

そのため、虫が入っていたというクレームを受けたら、お客様のご購入日と、虫が生きていたのかどうか、の確認をまずはやりましょう。

 必ず、「ご購入日」と「虫が生きていたかどうか」の確認をしよう!

お客さんからお申し出の「虫」をお預かりする

お客さんからお申し出をいただいた「虫」は、お預かりしましょう。

虫を回収できると、その形(形態)から虫の種類の特定をすることができます。 

例えば、虫の大きさ、触角や足の長さ、色調から、虫の種類が分かります。

 

一言に虫といっても、いろいろな種類があり、それぞれ生態が異なります。

 

 

虫の種類が分かれば、どんな食べ物が好きか、どんな気温で活発に活動するものなのか、どのぐらいのライフサイクルなのか(卵、幼虫、蛹・さなぎ、成虫でいる期間)が分かります。

こういった情報があると、発生した原因や、その場所の推定がとてもしやすくなります。

虫を知ることで、発生原因を知ることができるのです。

 お申し出の「虫」は、お預かりしよう!

最後に

本日は、「虫が入っていた」というクレームを受けた際に、どんな風に調査をしていくのがよいか、ご紹介しました。

万が一クレームを受けてしまった場合には、効率よく調査をし、速やかに改善できるようにしましょう。

クレーム対応こそ、スピード重視です!

 

追伸、僕の自己紹介

たかひろと申します。

新卒から食品企業に勤務しています。

日系企業からキャリアをスタートし、その後転職し、現在は外資系企業に勤めています。

キャリアの中で、工場勤務、商品開発、パッケージの開発、品質保証部など、食品流通のあらゆる職種を経験しています。(主に、技術系畑です)

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