ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)にない仕事はやらない、という心理

メーカーあるある

「その仕事は、私のジョブ・ディスクリプション(JD・職務記述書)に無いものだから、私の仕事ではない!」

こんな発言をする人がいます。

私はこういった発言を強く肯定はしません。

会社員である以上、自分が所属する組織の意向に合わせて動かなくてはいけないと思いますし、
変化の激しい時代だからこそ、当初から予定していた仕事(入社時や期初にJDに書かれている仕事)だけでは、会社が時代遅れになってしまう可能性があると思うからです。

ですが、こういった発言をしてしまう人の気持ちもよくわかります。

私はこれまでのキャリアの中で3社経験し、「その仕事は、JDに書かれていない!」という同僚の発言を何回も見てきました。

そこで思うのは、「JDにない仕事だ」「職責外だ!」という発言をする人は、自分の仕事のしっかりと把握できている人ですし、JDに書かれた仕事についてはプライドをもってやっているケースがほとんどだということです。

では、このように自分の仕事にプライドをもって取り組んでいる方が、「JDに書かれていないその仕事はやらない!(やりたくない!)」と言っているとき、どんな心理なのでしょうか。

ジョブ・ディスクリプションに書かれていない仕事はやらない!という人の心理:

リスペクトが無いと感じるとき

仕事を押し付けられていると感じるとき、「JDの内容」を持ち出す人がいます。

新しい仕事が浮上し、なんとなく自分の業務と関連しそうだったり、スキル的にも担当できそうな場合でも、
「押し付けられている」と感じると、もともとの業務範囲の中に入っていない、と主張して引き受けないパターンです。

これは、仕事を依頼する側にも問題があるケースがほとんどです。

「誰でもできる仕事だけど、やってほしい」という印象を与えないように、

  • ○○さんのスキルを活かしてやってほしい
  • 重要な仕事だから、○○さんじゃないとできない
  • ○○さんの今後のキャリアを考えたときに、こういうスキルを付けておいてほしい

こういった動機づけが有効だったりします。

アサインメントが無い(当初から担当者を指名していない)

上司が「担当者が誰であるかを名言しておらず、宙ぶらりんになった仕事」に対して、
「○○さんがやってくれてるものだと思っていた!」というパターンです。

後になって、これは○○さんの仕事だったのに、というケースは、完全にコミュニケーション・ミス。

(最悪なのが、こういう無責任タイプの上司に限って、「みんなでコミュニケーションをとりながら、積極的にやっていこう!」などと、抽象的な根性論でチームを引っ張ろうとするものです)

特に責任感が強い人(JDに書かれた業務へのコミットメントが高い人)にとっては、後から降って沸いた仕事で、驚き苦しむ羽目になるでしょう。

事前に、「○○さん、この仕事をお願いできますか」と話しておけば、
JDの内容云々の話にならなくて済むかもしれません。

単純に、忙しくて手が回らない

「JDにない仕事はやらない」という発言の裏には、単純に忙しくて手が回らない場合があります。

「もうこれ以上、仕事を振ってこないでくれ!」という心理です。

おそらく、何度も無理をして仕事を引き受けてきたのに、それでも新しい仕事が降ってきて、
当人も困っているケースがほとんどです。

そもそもの業務量の見直しが必要なフェーズに入っている可能性があります。

最後に

本日は、ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)にない仕事はやらない、という心理について、書いてみました。

いずれのケースにせよ、その人にやってほしい理由が伝わらなかったり、信頼関係が構築できていない場合にこういう発言が飛び出します。

ちょっとした会話(コミュニケーション)で、解消されるケースもあるので、一度振り返ってみましょう。

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