【食品工場】不良品を防ぐカギ!「製造工程に関する知識」は十分?【品質保証】

メーカーあるある

タカヒロです。

本日は、食品工場の品質保証・品質管理・生産・製造部署のあなたに向けた記事です。

生産ラインで発生する不良品は、工場にとって悩みの種ですよね。

同じラインを流れているはずなのに、数時間おきに不良が発生する。
同じコンベアを通ってきたはずなのに、ライン上の数個おきに不良が発生する。
逆に、なんで全部が不良品にならないの?

こんな悩みを抱えている品質管理・品質保証・生産・製造の方は多いのではないでしょうか?

なんで “ときどき” 不良品が発生するんだろ?

頭にクエスチョンマークを浮かべた人のイラスト(男性)

結論:不良品の発生の原因特定の鍵は、製造工程に関する知識です。

工場での不良は少しでも減らしたいし、不良をゼロにすることを目指したいですよね。


製造工程・プロセスを理解することで、不良が発生する原因や、その発生頻度の特定に近づくことができるかもしれません。

✔ まずは、製造工程図を見てみる 

不良品が発生している原因やその理由を特定したい場合には、まずは、モノの製造工程図(フローチャート)を上から下まで見てみてください。

  • どんな工程があるのか。
  • それぞれの工程は、どんな順番なのか。
  • それぞれの工程にかかる時間はどれぐらいなのか。
  • どこに一番時間がかかっているのか。

こんな感じです。

 

製造工程図(フローチャート)は、モノづくりを「見える化」したものなので、簡潔ですが全体像を把握することができます。

 

製造工程図(フローチャート)であれば、実際に現場に行かなくても、管理事務所やオフィスで見ることができますので、全体像を把握する最初のステップとしてとても取り組みやすいですね。

 

僕は、不良品が見つかった時には、どんなに良く知っている工場・生産ラインであっても、「見える化」された製造工程図(フローチャート)を確認しています。

Washing your hands

✔ 次に、現場を見てみる

製造工程図(フローチャート)を確認したら、実際に生産現場(生産ライン)を見てみましょう。

  • どんな原材料・資材が使われているのか
  • どんな人が、どんな場所で何人くらい関わっているのか
  • どんなスピード・どんな向きで製品が流れていくのか
  • 1回の生産で何個くらいの製品ができるのか。
  • 1時間で何個くらいの製品ができるのか。

こういった点を自分の目で見てみましょう。

実際に生産ラインをみてみると、製造工程図(フローチャート)では分からなかった、材料の使われ方・作業手順・機械の動き・生産に携わっている人を理解することができます。

ちなみに、材料・手順・機械・人は4Mと言われます。

材料:Material
✔ 手順:Method
✔ 機械:Machine
✔ 人:Man

生産工場において、これらの4Mのうちどれかが変更になる場合は要注意です。

これらの4Mは、生産においてとても重要な要素だからです。

重要だからこそ、変わったときは不良が発生しやすくなってしまいます。

✔ 重要なのは、とにかく生産の流れを理解すること

生産スピードが分かると、万が一機械が壊れた時にその期間に作られた製品が不良であることが特定できます。

 

どんな人が製品を触ったか分かれば、その人が誤った手順を覚えていた場合に、どのぐらいの数量・頻度で不良が発生しているのか特定できます。

どんな向きで製品がコンベア上を流れていくのか分かれば、万が一製品に傷がついていた時に、どのコンベアで傷つけられてしまったのか特定しやすくなります。

 

このように、生産ラインを詳しく見ておくこと・知っておくこと・理解しておくことで、

製品のこの位置にこんな傷がついているという事は、ライン上のあそこで発生した不具合だな・・・。

という推定ができます。

 

そして、ある程度めぼしをつけておけば、不良が発生している原因の特定が素早くできるのです。

不具合発生時の対応のスピード感はとても大切ですよね。

1)製造工程がわかる
2)生産ラインにおけるモノの動き・挙動がわかる
3)不具合が発生しやすい場所がわかる
4)不具合が起こった時に、原因の推定が速くできる
5)原因の特定が速くできる

このような段階で、製造工程の理解が不良品の原因特定につながるのです。

 

例えば、家から学校に行く間に財布を無くしてしまった時を例に考えてみましょう。

プロセス:家から学校に行く。

● 不良(不具合):財布を無くす。

この「家から学校に行く」というプロセスをあまり理解していないと、どこで財布がなくなったか(不具合が発生したのか)わかりません。

家から学校までの道のりすべてを探さなくてはなりません。


一方で、家から学校に行くというプロセスを次のように分解できたとしたらどうでしょう。

プロセス:
1)家を出る。
2)電車Aに乗る。
3)電車Aを降りて改札口を通る。
4)別の電車Bに乗る。
5)電車Bを降りて改札口を通る。
6)コンビニに行っておやつを買う。
7)学校につく。


不良(不具合):財布を無くす。

このように、家から学校に行くというプロセスを詳細まで把握できていると、財布を使用するポイントがわかりますよね。

 

学校についた時点で財布がないことに気が付いたとしても、コンビニでおやつを買えていたとしたら、財布を無くしたのはコンビニから学校の間になります。

 

家から学校までのすべての道のりで財布を探すよりも、コンビニから学校までの短い距離で財布を探す方が、圧倒的に早く見つけ出すことができそうですよね。

 

このように、製造工程図(フローチャート)をしっかりと理解しておくことで、不具合品(不良品)が発生した場所の特定がしやすくなるのです。

assorted plastic bottles

✔ もっと現場に詳しくなるためには、現場の”声”を聞く 

 自分なりに製造工程図(フローチャート)を見て、生産ラインを見てモノづくりの流れを理解できたら、現場の声も聴いてみましょう。

実際に生産ラインで働いている人達は、毎日生産ライン・製品を見ています。

彼ら・彼女らは、生産ラインの特徴をよく知っています。

不良が発生しやすい場所
✅ 不具合が発生しそうな怪しい場所、機械の様子がおかしい場所
✅ 機械の調整に時間がかかる場所

こういった情報を持っているかもしれません。

彼ら・彼女らを決して問い詰めるのではなく、あくまで現場のことを最も知っているスペシャリストとして、アドバイスをもらいましょう。


現場の人とのコミュニケーションは、「課題を共有する」という意味でもとても重要な活動です。

✔ 不良が発生する場所の特定や改善と同じくらい大事なこと

不良の原因の特定や改善活動と同じくらい大切なのが、改善した内容を現場と共有することです。

現場の人と一緒にラインの不具合の原因を特定する。
現場の人と一緒に改善する。
改善した内容を現場の人に共有する。

 こうやって、一つの成功体験(改善)を工場内で共有することで、現場の人のエンゲージメントが高まり、結果としてモチベーションの向上につながるのです。

工場は機械がたくさんありますが、品質の良し悪しを作るのは、結局「人(ヒト)」ですね😊

コメント

タイトルとURLをコピーしました