協力工場の製品で不良が多発! 改善するために品質保証がやるべきこと

品質保証・品質管理

協力工場○○社から納品してもらう製品の品質がいつも悪い…。
同じような不良がずっと続いていて、改善が見られない。
そもそも、改善に向けて、しっかりと取り組みしてくれているのだろうか?

こんな悩みを抱えている品質保証・品質管理の方も多いのではないでしょうか。

本日は、協力工場(協力会社・OEM)の製品で不良が発生してしまった時に、改善にむけて品質保証部門がまずやるべきことをご紹介します。

結論は

  • 購買担当部署に「協力会社の品質が悪い」という事実を報告する
  • 協力会社には継続して改善の依頼をし続ける(効果が見られなくても継続する)

シンプルですが、まずはこの2つです。
本日は、これらについて、解説していきます。

▼ 本日のお題:協力工場の製品で不良が発生! 改善するために品質保証がやるべきこと

購買(調達)担当部署に報告する

協力工場の品質が悪く、改善が見られない場合には、購買(調達)担当部署に「協力会社の品質が悪い」という事実を報告しましょう。

協力会社からモノを買うための発注を行ったり、価格交渉を行うのは、購買(調達)部署です。

購買(調達)担当者は、協力工場を選定するときに、①品質(Quality)・②コスト(Cost)・③納期(Delivery)の3つの観点(QCD)から総合的に検討します。

一方で、これらQCDのすべての観点で協力工場を採用しているとは言っても、品質についてはその他のコストや納期よりも評価が難しく、優先度が下がってしまったり、考慮がされにくくなってしまうケースが多々あります。

コストは金額(数字)で計算することができますし、納期は開発スケジュールに乗るか乗らないか、という観点で測ることができますが、品質については良い・悪いの評価が難しいからです。

特に、購買の担当者に技術的な知識・スキルが無いと、品質を評価することは難しいでしょう。

そのため、品質のスペシャリストである品質部門(品質保証・品質管理)が、協力工場の品質の良し悪しを数値・データで示し、購買がQCDのQ(Quality:品質)を判断できるようにサポートしてあげなくてはなりません。

こういった品質部門の取り組みが無いと、コスト・納期だけを重視するが品質は最悪な協力工場ばかりが選ばれてしまい、結果として品質部門が苦しむ羽目になってしまいます。

そのため、品質部門は「協力会社の品質が悪い」場合には、データで示し、購買(調達)部門に共有しましょう。

辛抱強く、継続して改善依頼をし続ける

そして、品質部門として何よりも重要なのは、協力会社には継続して改善の依頼をし続ける事です。

協力会社のモノの品質が改善されないのは、協力会社の責任です。

一方で、品質部門としても、改善を依頼し続けること・継続が重要です。

「改善の依頼が来なくなったから、改善する必要がない」と思われる(言われる)ことを防ぐこと、協力工場が気を緩めないように継続して改善活動をしてもらうことが目的です。

特に、海外の協力工場などは、言語的なハードルがあることからコミュニケーションが難しく、「言った言わない」の議論になってしまう事が多々あります。

工場の品質を改善するには時間がかかってしまうことも有ります。

また、言い方・伝え方などを工夫して協力工場とコミュニケーションしても、なかなか聞いてくれない場合もあるでしょう。

ですが、時間がかかることは理解したうえで、割り切って活動を継続することです。

時には他社の成功事例を共有してあげたり、改善が見られたところはポジティブなフィードバックをして、改善に向けて積極的にサポートしてあげるとよいです。

「そこまでしなくちゃいけないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、やった方が良いです。

品質部門としては全力を尽くし、そのうえで協力工場が成果を出せれば、実績になりますし、仮に改善につながらなければ、「品質部門としてできることはすべてやったが、協力工場が品質改善に協力しなかった」という事実をもとに、取引をやめる準備ができるからです。

品質部門として、お客様に安定した信頼できる商品を提供するために、能動的にうごくことを意識しましょう。

品質部門が積極的に動けば、購買(調達)のメンバーだけでなく、開発部門の意識も変わり、結果としてモノの品質は上がっていきます。

それこそが、品質部門の存在意義ですね。

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