タカヒロです。
本日のテーマは「交渉術(ネゴシエーション・スキル)」です。
僕はメーカーに勤務しているので、業者さんと交渉する機会が結構あります。
例えば、
✅ コストを維持したまま品質を上げてもらえるようにする。
✅ 品質を維持したまま、納期を1日でも早めてもらう。
こんな感じです。
交渉(ネゴシエーション)と聞いて、外交官が行う国同士の決め事や、企業同士の激しい価格の値切りあいをイメージするかもしれません。
でも、交渉って、普段の生活の中でもあふれているんですよね。
例えば、
①彼女と次の旅行先を決める。
②上司と仕事の分担を決める。
③奥さんと家事の分担を決める。
こんな感じで、あなたのまわりにも、日常的に交渉はつきものです。
つまり、「交渉術(ネゴシエーションスキル)」を身に着けることで、日常のあらゆる場面で活かすことができます。
交渉術は、人生を有利に生きるための、超有用なコミュニケーション・スキルです。
そして、意外とこれに気が付いていない人が多いので、交渉術を学んだ人は超有利です。
そもそも交渉って、何を目的にしているか?
そもそも、交渉って何のためにやるのでしょうか?
交渉相手を言い負かして、自分に有利な条件を引き出すことでしょうか?
答えはNoです。
では、交渉とは、何を目的にしているか。
結論:両者が得をする形で、ものごとを決めることを目的にしています。
交渉(ネゴシエーション)とは、
どちらかが勝って、どちらかが負ける。
相手を打ち負かす(言い負かす)。
こういった「一方的な勝利」が目的ではありません。
仮に、最初の交渉で相手を言い負かして自分だけが得をする結果を得られたとしても、相手の心の中でしこりが残ってしまいます。
そうすると、次回以降の交渉で不利になってしまったり、
「もう二度とこの人とは交渉したくない!」と思われてしまって、そもそも交渉すらさせてもらえない状況になってしまうかもしれません。
また、企業同士の交渉でも、どちらかの企業の担当者が一方的に要求をしてしまうと、会社全体のイメージが悪くなってしまいます。
交渉では、両者が納得した形で、Win-Winで終結するのが一番良いです。
交渉は値切るだけじゃない! 交渉術には種類がある!
交渉するやり方にも、いろいろ種類があります。
交渉する相手との関係性や、交渉条件に合わせて最も効果的な方法で交渉しましょう。
例えば、とある夫婦の家事の役割分担について交渉をするとしましょう。
ケース①を見てみます。
ケース①
旦那さん:「部屋の掃除の役割分担だけど、僕ときみで、それぞれ決めた曜日に2回ずつでどうだい?」
奥さん :「私は料理を担当しているから、掃除は全部あなたがやってよ。」
旦那さん:「それじゃあ、僕が3回で、きみが1回でどうだい?」
奥さん :「それならいいわ!」
このケース①は、掃除の回数の落としどころ(中間地点)を見つけるパターンです。
掃除をやってほしい旦那さんと、掃除は旦那さんに任せたい奥さんの妥協点に落ち着いたパターンです。
交渉というと、一般的にこのようなパターンが思いつくと思います。
1,000円で売られていたものを、800円に値切ったところ、900円で売ってもらうことができた、みたいな感じです。
✔ 少しだけ難しい言葉で解説:
このケース①の時の「旦那さんが掃除3回、奥さんが1回」のように、妥結する可能性がある着地点のことを、ZOPAと言ったりします。
ZOPA:Zone Of Possible Agreementの略。
✔ ZOPAという単語の 使い方の例:
僕はこの商品Aを最低でも1000円で販売したいけれど、お客さんは800円以下でないと買わないと言っている。両者の間でZOPAが存在していない状態だ・・・。
このケース①では、夫婦の交渉は、お互いの主張の中間地点で決着しました。
次にご紹介するケース②では、交渉は別の着地点に落ち着きます。
ケース②
旦那さん:「部屋の掃除の役割分担だけど、僕ときみで、それぞれ決めた曜日に2回ずつでどうだい?」
奥さん :「私は料理を担当しているから、掃除は全部あなたがやってよ。」
旦那さん:「それじゃあ、僕が掃除をすべてやるから、君は週に1回布団を干してくれるかい?」
奥さん:「それならいいわ!」
このケース②は、掃除はすべて旦那さんが引き取るが、代わりに他の家事をやってもらうというもの。
新しい交渉の材料として、「布団を干す」をテーブルに乗せ、総合的に家事分担をすることに成功しました。
こういったケース②のような交渉術は、回数や値段のように数字で中間地点が見いだせないケースで有効です。
例えば、
✅イタリアに旅行したい奥さんと、国内旅行が好きな旦那さん。
✅サッカーを見たい彼氏と、バラエティを見たい彼女のチャンネル争い。
✅旅行先の食事で中華を食べたいAくんと、イタリアンが食べたいBくん。
こんな感じで、両方の中間地点を見いだせない場合です。
この場合は、どちらかの要望しか採用することができません。
その場合には、議論とは別の選択肢を持ってきて、両者が最終的に得をするように交渉を進めると良いでしょう。
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交渉では 相手のニーズ を把握することが重要
交渉の際に折り合いがつかないような場合(ZOPAが存在していない場合)、相手のニーズを知ることで、交渉を進めやすくなることがあります。
具体的に説明します。
上述の ケース②では、奥さんは決めた曜日に2回の掃除はしたくないけれど、週に一回の布団干しを引き受けることにしました。
なぜこのような妥結ができたのでしょう。
もう一度、ケース②を振り返ってみます。
ケース②
旦那さん:「部屋の掃除の役割分担だけど、僕ときみで、それぞれ決めた曜日に2回ずつでどうだい?」
奥さん :「私は料理を担当しているから、掃除は全部あなたがやってよ。」
旦那さん:「それじゃあ、僕が掃除をすべてやるから、君は週に1回布団を干してくれるかい?」
奥さん:「それならいいわ!」
この会話の中で、奥さんの「ニーズ」を観察してみます。
奥さんはもしかしたら
● 決められた曜日に、家事をするのが嫌だった。
● 週に2回の仕事(掃除)が増えるのが嫌だが、1回であれば良しとしよう。
● 掃除は好きではないけれど、布団を干すのが嫌いじゃない。もしくは、干したての布団で寝るのが好き。
こういったニーズを持っていたのかもしれません。
そして、旦那さんもこういった奥さんのニーズを把握していたのかもしれません。
だからこそ、2人が納得する形で家事の役割分担ができたのでしょう。
このように、相手のニーズを把握することで、交渉の妥結点の選択肢が広がる(ZOPAが広がる)んです。
例えば、仕事でも、
業者さんとの交渉で、商品Aの値段を下げてもらう代わりに、商品Bも購入しよう。
こんな感じで一般的に使われる手法ですね。
交渉術は知っておく・認識しておくだけで有利
ケース①、ケース②のいずれのパターンも、多くの人が普通に使っているスキルだと思います。
でも、こういった違いを「意識」「理解」しておくこと、ZOPAを広げるという考え方・概念を理解しておくと、交渉する際の引き出しがぐっと増えます。
相手も、自分も納得する形で、Win-Winで交渉ができるといいですね😊
ツイッターもやっているので、フォローしていただけると嬉しいです。
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