品質保証の僕が外資系企業を辞めたワケ

品質保証・品質管理

品質保証で外資系に転職しようか迷っているけれど・・外資系って何となく不安。
外資系って働きやすい・給料が高いって聞くけど、やめる人が多い印象がある。

こんな風に悩んでいる人に向けて、外資で働いていた実体験をご紹介します。

この記事を書いているのはこんな人です
僕は約10年間、食品製造業(食品メーカー)でモノづくりを経験しており、そのうちの大部分を品質保証部門でキャリアを積んできました。
新卒で日系の大手メーカーに入社。
その後、複数回転職。 外資も経験。
キャリアのほとんどが品質保証。 製造・開発の知識を活かし、「品質」で経営貢献できるのが品質保証という仕事の魅力だと思っています。

外資系メーカーで働いていたときの環境や条件

まずは、当時の僕の労働環境・条件について簡単にご説明します。

会社の規模・雰囲気

売上は数百億程度の消費財メーカー。日本支社には160名程度が在籍していました。

「外資系」とはいうものの、だいぶ日本に馴染んでいて、いわゆる外資系として有名なコカ・コーラやP&Gとは違って、日系企業に近い雰囲気だと思います。

ただ、いわゆるJTCと言われるような古き良き日系企業とは違い、個性が尊重される雰囲気がありました。

給与

僕は主任級の役職でしたが、ハッキリ言って、他の日系メーカーと大きな差はありませんでした。

もともと消費財って給与レンジが低めですが、それを差し引いても給料が高いとはいいがたいです。
もちろん、特別低いわけではないと思います。

忙しさ

普段は月の残業時間は10~20h程度でしたが、繁忙期はめちゃくちゃ忙しかったです。

品質保証という仕事柄、トラブルがあれば日付が変わるまで対応に追われることも有りました。

また、監査などの出張が多く、地方にある工場への移動時間で遅くなることも有りました。

外資という特性上、時差がある国とのテレビ会議のために朝早くから、もしくは夜遅くから対応することも有りました。

同僚たちの離職率

離職率はめちゃくちゃ高かったです。

僕は5年ほど当時の会社に所属していました。この5年の間に、あくまで体感ですが60%くらいの人が入れ替わった印象です。

入社してくる人たちは、外資を渡り歩いてきた人が多かったです。

尊敬できる人もいたし、外資系らしく主張が強い人もいました。まったく尊敬できないようなマネージャーもいたりしました。

辞めていく人の退職理由は、仕事が合わなかったり、上司が合わなかったり、次のステップを見つけて前向きな転職をする人もいました。

ちなみに、一部のポジションが高い人達を除いて、「クビ」になる人はほとんどいませんでした。

個人の裁量権・やりがい

業務の裁量権は大きく、仕事の内容はとてもやりがいがあるものでした。

日本支社に所属する外国人、海外本社・海外支社で働く同僚とのコミュニケーションを通じて、世界中の仲間と一緒にモノづくりしている感覚がとても楽しく充実していました。

それでも、僕はこの会社を辞めるという決断をすることになります。

なぜ外資系メーカーを辞めたのか

上述の通り、仕事の内容はとてもやりがいがありましたが、5年ほど働いて転職をすることに決めました。

その理由を書いていきます。

ライフステージの変化

年齢的に「そろそろ子どもがほしい」。

けれど当時は、物理的に労働時間が大きすぎて、少なくとも子育てができる環境ではありませんでした。

また、家族が増えるとしたらと考えると、年収をもっと上げる必要がありました。

教育という概念が無かった

会社は即戦力となる人を中途で採用し、売上を伸ばしていくというスタイルでした。

そのため、従業員教育に割くコストを極力抑えていました。そのため、研修費やセミナー受講費はほとんど予算に組み込まれていませんでした。

一方で、品質保証という観点においては、継続した従業員教育や、資格取得に向けた自己学習がとても重要です。

品質保証は、「人に動いてもらうように働きかける」仕事です。

人に動いてもらえるよう、自分たちもスキル・知識を深めていく必要があります。特に、マネージャーとしてキャリアアップしていくためには、体系的な知識が必要だと思っていました。

自己学習すればいいじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、当時の僕にとっては、業務外のプライベートな時間を使って自費で学習するには、労働時間も多すぎるし給与も低すぎた、というのが正直なところです。

その結果、

「今のまま、この会社に残っていても、ここでマネージャーになれるようなスキルは得られないかもしれない」
「もっと教育活動にリスペクトする会社に行きたい」

と思うようになりました。

何となく感じる「浪人生感」

公私ともに成長したい。そう思っても、今のままの環境では時間的にも自分のスキル的にも成長が見込めない。ずっとここにいるのは違う気がする。

でも、仲間やオフィスは大好き。

この時の成長した意欲と八方ふさがり感と閉塞感は、浪人時代の予備校を思い起こさせました。

でも、翌年テストを受験できる浪人生と違って、転職は自分で区切りを付けなくてはいけない…。

そう思い立って転職サイトの職務経歴書を更新してみたところ、たまたまタイミングよく魅力的なオファーを得ることができ、転職することに決めました。

転職してよかった

次の職場を探し始めるタイミングで、とても良い求人と巡り合うことができ、無事に転職することができました。

自分はライフステージ・キャリアステージの変化によって「辞める」という決断をしましたが、自分に合った選択ができたと思っています。

辞めた会社に対しても、今でもその会社や商品のことは大好きですし、当時の同僚と食事に行ったりすることも有ります。

数年間ですが、外資系企業で働くという経験を通じて自分なりに成長することができ、その結果を活かして前向きな転職をすることができたと思っています。

さいごに

本日は、品質保証の僕が外資系企業を辞めたワケというテーマで、品質保証ならではの視点で転職について書いてみました。

もっと品質保証の仕事が認知され、リスペクトされる日が来ますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました