・品質保証部に配属されたケド、やりがいって何だろう?
・今現在、品質保証・品質管理部門に配属されているけど、やりがいが見いだせない…
こんな風に感じている人に向けて、品質保証部門のモチベーションを維持し、やりがいを見出す方法をご紹介します。
品質保証部門として働いてきた経験から、実体験のご紹介です。
◆ 本日のお題:品質保証部門のモチベーション低下を防ぐ方法・やりがいの見つけ方
なぜ品質保証部門はモチベーションが低下してしまうのか
まずは、なぜ品質保証部門(品質保証や品質管理)がなぜモチベーションが低下してしまうのか、やりがいを見出しづらいのか、を考えてみます。
これは、おそらく2つの要因から来ていると思います。
クレーム対応
モチベーションの低下・やりがいを見出しづらい1つ目の原因は、クレーム対応です。
品質保証部門は、お客様からのクレームを受けて調査をしたり、工場で品質不良品が発生したりトラブルがあった時の対処をします。
実際にお客様対応をするのはお客様窓口部門だったり、工場で機械の修理をしたりするのはメカニック・エンジニアだったりしますが、トラブルの原因をまとめ、再発防止策を設定したり、リードするのは一般的には品質保証部門の役割です。
そのため、シリアスな雰囲気の会議に出席したり、目をそむけたくなるような不良品と向き合って対処しなくてはなりませんし、自分が悪くなくても関係部門やお客様に謝罪をすることも多々あります。
こういった業務の特性から、モチベーションが下がってしまう人がいるのが現実でしょう。
成果が評価されにくい
モチベーション低下・やりがい喪失につながる2つ目の原因は、品質保証の業務が評価されにくいことです。
品質保証部が組織の中で有効に機能していれば、トラブルの予防措置が取られ、不良率が低くなります。
一方で、起こっていないトラブルに対して、適切に評価するのがとても難しいことから、品質保証部門は評価されづらいです。
逆に、起こってしまったトラブルをうまく解決した方が評価されたりします。
本当は、トラブルが起こる前に対処できている方が優秀なんですが…。
そのため、責任が重い割には頑張っても評価されづらく、トラブルがあれば怒られる部門として、やりがいを見出しづらいと感じてしまう人も多いです。
品質保証部門がモチベーションを維持し続けるためにやるべきこと
こういった要因から、やりがいを見出しづらいと感じてしまう人が多い品質保証業務ですが、見方を変えればとても面白い仕事です。
ここからは、モチベーションを維持するためにおススメの行動・考え方をご紹介します。
やるべきこと① 成果を見える化する
まずは、自分がやっている業務が会社にどういった影響があるか、すべて見える化してみます。
そして、この成果を「見える化」するときは、すべて時間とお金で数値化します。
例えば、
検品の精度を上げるために従業員教育したら、不良率が0.1%下がった。
➡ 0.1%×製品単価(¥)を計算し、いくらコスト削減できたかを考えてみる。
改善活動をしたら、異物のクレーム数が20件減った。
➡20件×クレーム対応に必要だったお客様窓口部門や営業部門の時間を計算し、人件費としていくら削減できたかを考える。
全社的に品質教育をした。
➡品質教育をすることで、営業部門やPR部門が品質の優位性を訴求できるようになり、○○円の売り上げアップに貢献できた。
このように、時間とお金で見える化することで、これまでは検品・クレーム対応に終われていた仕事が、経営貢献につながっていることが分かります。
自分の仕事がPLのどこに影響するのか、なんて考えると視座が高まる感じがして、モチベーションアップにつながります。
「品質保証部門は、お金・労力をかけることばかり言ってくる」と言ってくる関係部門も多いです。でも、品質保証部門も金銭感覚を磨き、少しずつコストに応じてソリューションを提案できるようになってくると、やりがいだけでなく周囲からの信頼を獲得しやすくなり、その後の仕事も進めやすくなっていきます。
品質保証部門は、自分だけでは何もできない部門です。この点についても書いている記事があるので、ぜひ読んでみてください:
やるべきこと② 仕組み化する
もう一つは、「仕組み」を作るということを意識して、品質保証業務をやってみるという事です。
例えば、関係部署から書類のチェックを依頼されるとき。
いつも内容に不足があったり、誤字脱字だらけでイライラしながら修正する(させられる)ことがあったり。
そんな時には、例えば、
- 内容が不足しないように、表と項目を作ってしまい、記入漏れがあるとすぐに気が付くようにする。
- 誤字脱字については、品質保証部門の管轄ではないと伝え、合意を取っておく。
このように、すべての工程を品質保証みずからチェック・管理・尻ぬぐいするのではなくて、自然と問題ないモノ・プロセスが作られるような仕組み(しくみ)を検討するのです。
こうすることで、すべて自分が手を動かして対応する”やらされてる感”がなくなり、自分がリードして周りを動かす実感が得られます。
工場の生産でも、5Sが行き届かないようであれば、備品・器具類の置き場を決めてラベリング(表示)しておき、過不足があれば片づけるときに必ず気が付くようにする、といった運用も非常に一般的ですね。
品質保証として、すべての確認作業を自分自らがやるのではなく、放っておいても安全なものができる「仕組み」づくりに取り組んでみましょう。
やるべきこと③ マインドセット
最後は、気持ち・マインド面です。
品質保証部門の仕事は、頑張って成果を上げても評価(≒給料)が上がりづらいのは事実です。
ですが、品質保証の仕事で成果を上げるという事は、それだけ対応しなくちゃいけないトラブルの数が減るという事。
理論上は、頑張って成果を上げるほど、今より暇(時間的余裕がある状態)になります。
一方で、他の部門は必ずしもそうではありません。
商品企画部門は、売れる企画を考えれば一定期間過ぎればまた別の新企画を求められるでしょうし、
製品開発部門は、イノベーティブ・革新的なな製品を開発して成功しても、次のシーズンやお客様のニーズに合わせてリニューアルが必要です。頑張れば頑張るほど、忙しくなったりするのです。
なので、頑張れば頑張るほど暇になっていく、時間的にある意味報われるのは品質保証部門の特権かもしれません。
これに気が付くと、ちょっとはヤル気がでますよね。
最後に
本日は、実体験から品質保証部門のやりがいの見つけ方について書いてみました。
今日の記事が少しでも参考になれば、とても嬉しいです!
もっと品質保証の仕事が認知され、リスペクトされる日が来ますように。
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