自社製品の品質を上げたければ、品質部門の人的リソース確保を怠ってはいけない、という話

メーカーあるある

タカヒロです。

約10年間メーカーでモノづくりを経験しており、そのうちの大部分を品質保証でキャリアを積んできました。

僕は品質部門の主任として、メーカー企業に従事し、クレーム率の低減に尽力してきました。

結果として、毎年10%以上のクレーム率の低下を達成できました。

この経験を通じて、メーカー企業の製品の品質と、品質部門の人的リソースは切っても切り離せない関係だと実感しています。

本日は、

・品質部門の人的リソースや離職率
・製品そのものの品質

この2つの関係について、書いていきたいと思います。

こんな方に向けた記事です:

・品質部門を管理する管理職の方。
・品質部門で働いている方で、「もっと人数を増やしたいけれど、会社の方針で上司が人を増やしてくれない!」と苦戦している方。

ここで言う「品質部門」とは

品質部門とは、

  • 不良品やクレームの発生原因を調査したり、是正処置を設定する
  • 改善(カイゼン)活動を行う
  • 出荷判定をする
  • 工場の監査を行う

この記事では、こんな業務を行う部署を指すことにします。

具体的には、こんな部署名です:

  • 品質保証:Quality Assurance (QA)
  • 品質管理:Quality Control (QC)

(会社によって、QAとQCの業務範囲・仕事の内容は異なるので、両者の言葉の定義については割愛します。)

品質部門の人的リソースが少ないことによる弊害

品質部門(品質保証や品質管理)の人的リソース(人数)が少ないことによって、会社にとってどんな弊害があるのか、具体的に書いていきます。

もっと端的に(ストレートに)言うと、

品質部門の人数が少ないと、会社にとってどんな困ったことが起こるか

という事です。

ディスカッションが生まれない

品質部門の人数が少ない場合(ひどい場合には1人の場合)、何か品質改善に向けて取り組もうとしても、ディスカッション(議論)ができません。

例えば、品質の抜本的な改善に向けて、じっくりと取り組まなくてはならないような課題がある時。

たった1人で考えたり、人数が2~3人いたとしてもそのうちの何人かのスキルが十分でないと、議論が深まらず、品質が良くならない根本的な原因が見いだせなかったり、十分で適切な対策が立てられないことがあります。

他部署(あるいは専門性を持たない管理職)との折衝が難しい

品質部門が極端に小さい組織だと、当然、社内で提案を通すのが難しくなります。

特に、提案を承認する上司が「品質のことは全く分からない」というタイプだと、なおさらです。

もちろん、何か新しいことを始めるためにはお金がかかるので、品質部門の担当者は必死でデータをまとめて、必要性を訴えるよう努めます。

しかしながら、品質についてまったく理解が無い部署・人に対して提案を通すのは、非常に困難です。

品質が人数が少なく存在感が弱い部署である場合にはなおさらです。

そのため、せっかく製品の品質を下げたり、リコールするリスクを軽減できる素晴らしいアイデアが有っても、提案が通りづらくなってしまいます。

手いっぱいで緊急時に動けない

こちらは非常にわかりやすいと思います。

品質部門の社員が忙しすぎたり、日ごろの業務に手が回っていないと、緊急時に対応ができなくなったり、遅くなってしまいます。

品質部門は、不良品が発生したりお客さまからクレームを受けた時には、速やかに調査をし、不良の範囲(ロット・数量)を確認し、出荷を止めたり時には自主回収をリードしなくてはなりません。

そのため、緊急時には速やかに動けるような体制を確保しておくべきです。

人が辞めてしまうと、知見が残らない

最後に、最も重要な点として、品質に関するノウハウが蓄積されないという事が挙げられます。

品質部門に限ったことではありませんが、チームの人数が極端に少ないと、仕事が属人的になります。

すると、その人が辞めてしまうと、会社に知見・ノウハウが蓄積せず、同じような製品不良を生産・流出してしまったりするのです。

最後に

本日は、自社製品の品質を上げたければ、品質部門の人的リソース確保を怠ってはいけない、という話をテーマに書いてみました。

ほとんどのメーカー企業が「お客さまを第一に考え、自分たちは品質にこだわっている」と思い込んでいます。

しかしながら、僕のこれまでの経験を通じて品質部門のリソースを無理に制限しているなあと感じることが多々あります。(これまで自分が所属してきた会社だけでなく、監査してきた30以上の企業を見てきましたが、品質部門の人数が少ない企業が多くありました)

本当に品質を改善したい、あるいは品質にこだわりたいと考えているのであれば、品質部門のリソースを見直してみると良いかもしれません。

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