食品メーカーの品質保証に必要な知識【QA/QCスキル】

品質保証・品質管理

新しく品質保証部に配属になった。品質保証ではどういうスキルが必要なんだろう

こんな風に感じている新入社員や異動者の方に向けた記事です。
製造業に関する書籍は巷にたくさん溢れていますが、”実務的”に「食品企業の品質保証部で必要なスキルとは」と紹介しているモノって、なかなかないですよね。。

僕は約10年間、食品製造業(食品メーカー)でモノづくりを経験しており、そのうちの大部分を品質保証部門でキャリアを積んできました。
本日は、この経験を通じて学んだ、食品企業の品質保証に必要な知識をご紹介します。

◆ 本日のお題:食品企業の品質保証に必要な知識

食品安全マネジメントシステム・5S

1つ目は、食品安全マネジメントシステムや、前提条件プログラム・衛生管理・5Sなどの、製造現場における品質管理・品質保証上の知識です。

各認証(HACCP、ISO22000、FSSC22000など)や、それらで求められている「要求事項」や考え方については、内容を理解しておく必要があります。

書かれている内容をすべて暗記する必要はありませんが、生産工場での危害分析や、リスク低減に取り組む仕事をするときには、ある程度内容を深く知っておく必要があります。

こういったマネジメントシステムに関連する知識は、セミナーなどで習得することもできます。 「FSSC22000 セミナー」などと検索するとヒットするので、気になる方は探してみましょう!

BMLフードサイエンス社やグローバルテクノ社の研修は内容が深く、体系的な知識を習得できるので、ちょっと高いですが、本当におすすめです。

生産工程

生産工程(プロセス)に関する知識も非常に重要です。工場で製品を作るときの「QC工程図」を読めるように練習しましょう。

工程図に書かれている各工程の目的と管理項目を理解できていないと、品質トラブルがあったときにどこを改善すればよいのか特定することができません。

また、なぜ不良品が出てしまったのか、品質保証部門は説明責任がありますが、どうやって作っているのかわからないのに説明することはできません。

生産工程には必ず意味があり、その順番・管理項目が設定されています。

工程図が読めるようになると、工場による特徴を理解できて品質の違いが生まれる原因を見つけたり、トラブルがあった後も速やかに特定できるようになります。

また、製品に合わせて必要な工程が分かっていれば、全く新しい製品で自社で実績が無いものであっても、品質を維持しながら生産につなげることができます。

一方で、生産工程図の理解はモノづくり、とくにHACCPで管理する食品業界ではとても重要ですが、生産工程図は企業ごと・製品ごとに工程図が作られるので、こういった知識を得るためのセミナーや書籍はなかなかありません。

なので、まずは自社製品のものだけでもよいので、工程図を見てみて見まくり、可能であれば実際に工場に行って機械・設備と照らし合わせてみましょう。

最初はなかなか成長実感が得られないかもしれないですが、これが一番の近道です。

製品開発のプロセス

品質トラブルが起こる原因の多くが、設計起因によるものだったりします。

設計が甘くて、

  • 工場での生産に乗らない(不良が多い)。
  • 流通の過程や、ユーザーの使用の過程ですぐに壊れる。
  • ユーザーが使用方法を誤ってしまい、正しく使用されない。

そのため、品質トラブルが発生した後に、品質保証部門は開発プロセス(設計プロセス)の見直しや改善を行うことがあります。

ここで、現状の製品開発の流れを理解できていないと、改善の使用がありません。

上述の生産工程図同様、意外と、自社の製品開発プロセスの知識がない品質保証担当者が多いのですが、品質トラブルを減らすためには「製品開発がどういうプロセスを経て行われているのか」は必ず必要な知識です。

試験法・法規制

品質保証部門は、製品開発の途中で行われた各種試験の結果を評価したり、足りないデータがあれば指摘しなくてはいけません。

そのため、業界として定められた試験方法、もしくは自社基準で定められている試験方法をよく理解しておく必要があります。

また、試験法が法規で定められている場合もあるので、法規制についてもある程度知っておく必要があります。

業界動向

社内だけでなく、競合他社も含めた業界動向の把握も大切です。
品質は、辞退とともに移り変わっていくからです。

業界で大きな品質トラブル・不祥事ニュースが報じられたりすると、お客さんはより安心・安全なものを求めます。

「競合他社の商品で食中毒が出ているとニュースになっているけど、おたくの商品は大丈夫ですよね?」と消費者や取引先からお問い合わせを受けることもあります。

また、業界を騒がせるような大きな不祥事だと、再発防止を目指して法律(例えば食品衛生法など)も厳しくなったりします。

また、その時代の消費者・生活者のニーズがきっかけで、製品への品質に影響を及ぼすムーブメントなんかもあります。

例えば、サステナブルなど。 最近では、少し高くてもいいからサスティナブルな素材を使ったものを購入したいという消費者も増え、企業もパッケージの材質を変更するなどの対応をとったりします。

これによって、実際の生産の現場では、材料の切り替えを行ったり、製品として出荷しても問題が無いかどうかの各種検証を行ったりするわけです。

このように、お客さん・市場が製品に期待・要求する「品質」は、日々変化します。

品質の良し悪しは、販売する企業が決めることではなくお客さんが決めることですから、品質保証部門は業界動向にもアンテナを張り、求められる「品質」が市場に送り出されるようにマネジメントしていきます。

そのため、品質保証部門は業界動向に関する知識が必要です。

コミュニケーション・プレゼンテーション

最後にご紹介したいのは、コミュニケーション・プレゼンテーションのスキルです。

品質保証部門は、自分たちで機械を制御することも、手を動かして製品開発することもありません。

「品質上、問題が無いものが作られていく仕組み(ルール)や風土」を作って管理するのが仕事です。

そのため、関係部署にお願いしてルールを守ってもらったり、従業員教育を行って品質レベルを維持・向上していきます。

つまり、品質保証部門はヒトに動いてもらってようやく成果が出せる仕事、というのが特徴です。

人に動いてもらうために、

  • 必要な情報は何だろう?
  • 誰と合意すれば、ルールを変更できるだろうか?
  • どういうデータの見せ方が良いだろう?(表だろうか、グラフだろうか?)

こんなことを常に考えなくてはいけません。

コミュニケーションスキル・プレゼンテーションスキルが上達することで、品質保証部門としてのスキルは飛躍的に上がるのは、僕の経験上、間違いありません。

さいごに

本日は、食品企業の品質保証に必要な知識というテーマで書いてみました。

上述したとおり、製品に求められる「品質」は不変なものではなく、時代とともに変わっていくものです。
僕たち品質保証部門に求められる知識・スキルも常に磨いていかなくてはいけませんね。

もっと品質保証の仕事が認知され、リスペクトされる日が来ますように。

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