少し前は、新卒から定年まで同じ会社で働き続けるのが美とされた時代もありました…。
僕自身、複数回の転職を経験していますが、初めて転職を決めたとき(新卒で入った会社を辞めるとき)、同僚から「転職するなんて!信じられない!」という目で見られましたし、実際にそのようなお言葉もいただきました(笑)
一方で、今では人財も流動的になり、ビジネスもめまぐるしく変化する時代。
「転職」や「転職活動」もいわゆる「普通」になってきました。
本日は、「品質保証」ならではの、転職で苦労したことをご紹介したいと思います。
僕が実際に体験したことに加えて、周りの同僚も同じ悩みを経験した人が多いので、転職を控えている方や転職直後の方には参考にしていただけると思います。
こんな風に感じている方向けの記事です:
・「品質保証として転職することになったけれど、新しい会社でうまくやっていけるだろうか。」と不安に思っている人
・「転職したけれど、うまく働けていない気がする。」とモヤモヤした気持ちを持っていて、今の課題をクリアにしたい人
人脈づくりが一(イチ)から。 信頼関係の構築も一(イチ)から。
品質保証の仕事は、社内の関係者に協力してもらって初めて成果を得られる仕事です。
私たちの仕事は、
- 基準(ルールや手順)を作って製造現場の人に守ってもらう
- 業務フローを作って、社内の人に従ってもらう
- 研修・トレーニングを実施して、品質への意識を高めてもらう
このように誰かに働きかけて、共感してもらい、協力してもらい、結果として製品の品質を維持したりカイゼンできる仕事なのです。
ということはつまり、品質保証では、業務で関わる人との信頼関係が命です。
信頼感を得るために、これまでの実績をアピールしたいところです。
一方で、品質保証という仕事柄、なかなか実績を数値でもってアピールするのが難しかったりしますよね。
品質保証のキャリアにおいての実績として一番わかりやすいのは、
- トラブルの対応を速やかに行ったこと
- 品質管理体制・品質保証体制・製品開発フローなど、社内フローを整理したこと
等があげられるでしょう。
一方で、①については社外秘情報を含む場合が多く、転職後の会社でオープンにしづらい内容を含みます。
また、②については、組織の大きさ・構造や、企業体質によって、社内のフローの変更にどのくらい労力がかかるかイメージしづらいです。加えて、社内のフローを改善したことでどのくらいビジネスに貢献した(利益貢献した)かの効果測定もこれまた難しい。
上述の通り、品質保証は社内の関係部署に働きかけをして業務を進めなくてはなりませんが、自分のスキルや実績アピールが難しく、同僚との信頼関係の構築に時間がかかってしまうかもしれません。
そのため 転職直後は、小さくても着実に成果を出していく、他部署からの問い合わせに誠実に対応していく(特に最初は、「丁寧すぎる」ぐらいがちょうどいいです)、積極的に公の場で情報発信していく(もちろん、上司とアラインメントをとりながら・・・)など、信頼関係の構築に努めるのがおすすめです。
特に、リモート環境でのコミュニケーションが活発な時代なので、画面越しでも説得力があるプレゼンを心がける、などの心構えが重要です。
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社内ルール・規定のソースが分からない
転職直後はわからないことだらけです。
新しい会社で製品の品質を保証するための試験法、品質マネジメントシステム・ポリシー、その他規程・ルール、およびこれらが出来上がった背景もわかりません。
会議で「その試験法は使えないよ!」などといわれても、製品特有(製品特徴)でダメなのか、業界団体ルールでダメなのか、それとも単に社内ルール上ダメなのか、わかりません。
加えて、大きな日系の会社ではよくあることですが、
- ガチガチにルールが決められている一方で、ルールが制定されたのが10年以上前でなぜそのルールが作られたのか 今のメンバーはだれもわからない。
- 新卒入社組の人が多く、今まで社内ルールに疑問を持ったことすらない、という思考停止な人も多い。
こんなケースも多々あります。
転職したてのアナタも最初は、こんな場面にうんざりすることがかならずあります。
ですが、転職したてはわからないことがあって当然だ、と開き直って同僚たちに聞きまくりましょう。 上述のような思考停止している人にとっても、あなたの質問によって「気づき」が生まれるかもしれません。
自分たち転職組に期待されていることは、まだ組織に染まっていないからこそ持っているフラットな目で率直な意見を言うことであることは言うまでもありません。
分からないことは聞いて、いち早く戦力に慣れるよう学びを継続しましょう。
前職と新しい会社で「品質保証」の役割・仕事内容が違う
「品質保証」という単語や「品質保証部・課」という部署名は広く認知されているものですが、実は会社によってその役割が異なっていたりします。
さらに、「品質保証」と「品質管理」が分かれている場合もあれば、「品質保証」の中に「品質管理」がある会社もあれば、名前が違う場合もあります。
そのため、部署名にとらわれずに、会社が自分の部署に期待している役割をしっかりと見極めないと、何をやるべきかわからなくなってしまいます。
いわゆる自分の部署のミッションです。
なお、ここでいうミッションは、会社としてオーソライズされている役割を指します。
他部署の人が思い込んでいる「品質保証はこういう仕事をすべき」を指すのではありません。
会社の中で、「食品の表示を作るのは品質保証の仕事だろ!」とか、「法律のチェックするのは品質保証」、「試験をするのも品証だ」云々かんぬんおっしゃって、転職直後のアナタに仕事を押し付けようとするような輩もいるので、ご注意を。
本日は、品質保証の転職で苦労したこと 3選として、実体験をもとにご紹介しました。
転職直前・直後で不安に感じている品質保証の方は、知っておくだけでちょっとでも心の準備ができて、気持ちが楽になるかもしれません。
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