【キケン】メーカー企業は安易に商品の数を増やしちゃダメ!

メーカーあるある
「絶対ダメ」の写真[モデル:大川竜弥]

こんにちは、たかひろです。

僕は、新卒からずっとメーカー勤務で、製品開発に関わる仕事をしてきました。

本日は、「メーカー企業は安易に商品の数を増やしちゃダメ!」というテーマで書いてみたいと思います。

「うちの会社、どんどん商品の数が増えて、困っちゃうよ・・・。」

メーカー勤務の人のこんな「ぼやき・愚痴」をよく聞くことがあります。

メーカー企業は売り上げに伸び悩むと、新商品を増やして一時的な売り上げを拡大してしまいがちですよね。

これは、「新商品」であることが、お客さんにアピールしやすく、結果として一時的な売り上げのアップが見込めるからです。

確かに、買う立場になって考えた時のことを考えた時、例えばコンビニで「新商品!」と書かれたお菓子を見つけると、ちょっと気になって買ってしまったりしますよね。

では、メーカーは「ガンガン新商品を出して、お客さんにアピールしまくればいい!」のでしょうか?

答えは NOです。

企業が取り扱う商品の数、いわゆる商品SKU数を安易に増やしてしまうのはとても危険です。

それは、

商品を増やすことで、メーカー側にとって「リスク」があるから

です。

本日は、メーカーが商品SKU数を増やすことによるリスクを3つ、なるべく新入社員の方でもわかるように、ご紹介します。

在庫のリスク

商品数をむやみに増やすことの一つ目のリスクは、「在庫のリスク」です。

商品SKUが増えることで、メーカーはそれぞれの商品を構成する部材(原材料)、資材を調達しなくてはなりません。

例えば、ある飲料メーカーが商品を一つ開発するとします。

ここでは、「ペットボトル入りのお茶」を開発するときのケースを考えてみます。

一言で「商品を一つ開発する」と言っても、様々な準備が必要になります。

  1. ペットボトル
  2. ペットボトルのキャップ
  3. ラベル
  4. お茶の原材料
  5. 出荷するときの段ボール

これらの原材料や資材をすべて調達しないと、商品として成り立ちません。

そして、残念ながらこのお茶がヒットせず、売上の計画に未達になってしまった時には、これらの原材料・資材・生産した商品の在庫が無駄になってしまいます。

せっかくお金を払って、原材料や資材を調達したり、工場を稼働して商品を作ってしまっても、売り先がなければ在庫は「罪庫(ざいこ)」となってしまいます。

(日本の生産業で有名なトヨタ自動車では、在庫はすべて「罪庫」と表現されます。 それだけ、モノづくりに強い会社こそ、厳しい生産管理をしている、ということですね。)

このように、商品をたった一つ増やすだけでも、在庫の“リスク”があることを認識し、その上で新商品を開発するかどうかをしっかりと見極める必要があります。

コストのリスク

2つ目は、「コストのリスク」です。

商品数を増やすことで、一時的な売り上げは増えても、生産コストが上がってしまい、結果としてあまり儲からない、といった状況になってしまう場合があります。

例えば、とあるクッキーメーカーの例を挙げてご説明します。

クッキーメーカーA社は、これまで主力製品の「チョコレートチップクッキー」を主軸に、期間限定のイチゴクッキー、抹茶クッキーを自社工場で生産し、この3商品を販売することで事業を展開していました。

ところが、ある日突然、役員会議で、新しいクッキーである「パイナップルクッキー」を期間限定の商品に追加することになりました。

これまでは①チョコレートチップ、②イチゴ、③抹茶の3種類の商品展開だったものが、④パイナップルが追加され、4種類のクッキーを生産することになります。

一方で、工場の稼働率にも限界がありますから、既存の商品の生産の割合が減少することになります。

すると、工場での生産の切り替えが発生してしまい、生産効率が下がってしまいます。

また、それぞれの生産数量が減ることで、これまでは原材料をまとめて大量に調達することで安く抑えられていた原価も上がってしまう可能性があります。

さらには、工場(倉庫)での保管費用も増えてしまう可能性があります。

これまでは3種類のクッキーの原材料・資材を保管しておけばよかったのに対して、4種類のクッキーの部材の保管や、完成した商品を出荷まで保管する必要があるからです。

商品数が増えることで、生産にかかる原価コストが増えてしまうのです。

また、オペレーションコスト(人件費)も増えてしまう可能性があります。

新たなパイナップルクッキーのレシピを開発したり、原材料の価格を精査しサプライヤーと交渉したり、原材料の品質を管理するための人的リソースが必要になるためです。

このように、たった一つの商品であっても、原価コストやオペレーションコストのリスクがあるのです。

せっかく売り上げを伸ばすことができても、利益が下がってしまっては意味がありませんね。

商品の品質が損なわれてしまうリスク

そして、3つ目のリスクは「商品の品質のリスク」です。

新しい商品を開発・生産・販売するにあたって、事前には想定できないリスクが付きまといます。

例えば、作ってみたはいいけれど、破損しやすい、思わぬ故障が発生する、生産効率が著しく悪い、といった思わぬ不具合が発生してしまったりするのです。

こういった事前に想定できないリスクには、品質部門(品質管理部や品質保証部)であっても、想定できないリスクには対応ができません。

これまで展開していた商品と同等、そしてせっかく新発売するのであればこれまで以上の品質のものを出す

こういったマインドが社内全体に広がっていないと、品質部門へのプレッシャーになってしまいます。

そうなってしまうと、品質部門はポジティブに商品を評価できず、チャレンジングな開発ができなくなってしまいます。

これでは、良いモノを生みだすことはできません。

ポイントは、

新しいモノを作るときには社員全員で品質に考慮する

という事です。

そして何より、社員のモチベーション低下のリスク

新しい商品を作る際のリスクの中で、見落としがちなのが「社員のモチベーション低下のリスク」です。

これは、数字で表すことはできませんが、ジワジワと社内の雰囲気を悪くして言ってしまいます。

計画性が無い状態で新商品の開発を繰り返してしまうと、特にバックオフィス(管理部門)側や生産に関わる社員は

「また、思い付きで新商品を増やすのか・・・。」
「実際に、生産・管理する身にもなってくれよ・・・・。」
「こんなに大変な思いをしても、またどうせ売れないんだろうな・・・。」

こんな風に、社員のモチベーションが下がってしまったりします。

こうなってしまうと良いモノは生まれませんし、そうするとまた新商品を出して売り上げを戻そうという動きが生まれたりします。

こういった悪循環に陥ってしまわぬよう、関係部署で議論をし、

「本当に必要な開発なのか?」
「開発することでどんなリターンが見込めるのか?」

を精査しましょう。

ポイントは、

必ずリスクとメリットを事前に評価(プレビュー)すること
販売後には結果を振り返る(レビューする)こと

です。

新商品の展開には、スピード感と慎重さのバランスがとても大切

新商品を作るときには慎重になることがとても大切だという事を述べてきました。

一方で現代のように変化のスピードは速い環境では、素早い意思決定も重要です。

だからこそ、開発する際に適切なタイミングで適切な部署がリスク・品質を評価することがとても大切ですね。

つまり、商品そのものを増やすよりも前に、開発のフローチャートを作るのがとても有効だったりします。

無計画で料理をする前に、手順書を用意したり、材料のチェックリストを作るようなイメージですね。

こういったフローがあれば、新商品の開発に関わる社員のストレスも激減し、社内の業務の効率化につながります。

変化が激しい時代だからこそ、リソースを有効活用し、効率よく新商品を展開していきたいですね。

本日は以上です。

たかひろ

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