今日は、「スペシャリスト」と「サイロ化」についての記事です。
ウチの会社でも、ジョブ型雇用を進めてみた。
でも、自分の領域は詳しいけれど他部署のことが全く分からない人ばかりが集まってしまって、うまくコラボレーションができていない。
組織がサイロ化してしまっている・・・。
こんな声をよく聞きますし、ツイッターなどでも目にします。
でも、スペシャリストを集めることによって、サイロ化って起こってしまうのでしょうか?
そもそも、スペシャリストとは
「スペシャリスト」とはどういう人材を表すのか、調べてみました。
こちらのビズリーチのサイトで、スペシャリストをこんな風に説明しています。
スペシャリストとは…
スペシャリストとは、特定の分野において極めて高い専門性を持った人材のことを指します。専門性の高い特別な資格や、特殊な技術、高度な知見を持っていることもスペシャリストの特徴です。他の社員では分からない専門性の高い内容を明快に説明できたり、難度の高い問題を自ら調査・解決できたりするような人材はスペシャリストといえるでしょう。
https://bizreach.biz/media/22739/
企業における「サイロ化」とは
企業や組織内において、各部門が独立して業務を行っているために、部門同士の連携が取れない構造になっている状態を「サイロ化している」といいます。
例えば商品開発において、
- マーケティングがコンセプトを考えるも、それが実際に製造できるものではないために生産効率が悪く、生産部門が苦労する。
- 製品開発が新商品を開発するも、品質が安定しないに品質部門が苦労する。
こんな状態を「サイロ化している状態」といえるでしょう。
要するに、部門間の連携がうまく取れていない状態です。
本当の意味でのスペシャリストが揃っていれば、サイロ化はしないはず
上述した通り、スペシャリストは「高い専門性・技術を持った人材」を指します。
もっと具体的にイメージしてみると、
「高い専門性・技術を持つ人材(人財)」とは、
- どんな環境下において自分のパフォーマンスを発揮できる。
- 仮に、自分のパフォーマンスが発揮しづらい環境でも、調整する。
- 必要であれば組織に働きかけて、自分やチームのアウトプットを最大化できる。
こんな人物であると言えます。
逆に、こういった周りと協業して高い成果を出せていない場合には、スペシャリストになり切れていない場合があります。
例えば、上で挙げた商品開発におけるマーケティング部の例で言うと
- スペシャリストになり切れていない例: お客さまが喜ぶコンセプトを考えるだけのマーケッター。
- スペシャリストの例:お客さまが喜ぶコンセプトを考えつつ、生産効率やその他の要因を十分に検討し、必要により各部と調整できるマーケッター。
本当の意味でのスペシャリストとは、自分の仕事だけに目を向けるのではなく、組織として最大のアウトプットを出すために自分のスキルを発揮できる人物であるはず。
逆説的ですが、サイロ化に悩まされている(アウトプットが低い)組織においては、本当の意味でのスペシャリストがいない(もしくは、機能していない)状態なのではないでしょうか。
組織がサイロ化していて働きづらいと悩んでいる方へ
会社の各部門の連携がうまく取れていなかったり、
新しい仕事が発生した際に部署同士でたらい回し・押し付け合いになるなど、「サイロ化」によって働きづらさを感じている方もいるのではないでしょうか。
こんな時、「うちの会社はだめだ」とは「○○さんは、自分の専門の領域以外では非協力的だ」と嘆くのは簡単ですが、生産的ではありません。
他人を変えることはできません。
しかしながら、自分自身を変えることはできます。
まずは、自分自身の専門性を高め、他の部署とうまくコラボレーション(協業)するためにどんな知識・スキル・コミュニケーション術を磨けばよいか、見直してみると良いでしょう。
自分に欠けているスキルは、業務の専門性・技能・スキルかもしれないし、相手の性格・仕事で大事にしていることを見極める観察眼かもしれません。
その他にも、コミュニケーションのタイミング、方法(メール、フェイストゥーフェイス・対面、電話)、言葉遣い、会議前の根回しなどの細かい技術も活用できるでしょう。
本当の意味でのスペシャリストになるために、「専門知識だけはすごいのに成果が出せないもったいないひと」ではなく、「高いアウトプットを出せるひと、チームがパフォーマンスを最大限に発揮できるような環境づくりができるひと」を目指したいですね。
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